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ハンディターミナルとは?バーコードリーダーとの違いや選び方も解説

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こんにちは。「店舗活性化委員会(ミセカツ)」です!

ハンディターミナルという言葉を耳にする機会は増えているものの、実際にどのような機械なのか、どんな業務で役立つのかまでは意外と知られていません。バーコードリーダーとは何が違うのか、スマートフォンでも代用できるのではないかと疑問に思う方も多いでしょう。

本記事では、ハンディターミナルの基本的な仕組みや機能、スマホとの違い、そして導入時の選定ポイントまでを分かりやすく解説します。小売店や物流倉庫、製造現場、医療施設など、さまざまな業種で活躍する業務用ハンディ端末について、現場目線で理解を深めていきましょう。

ハンディターミナルとは何か?基本の仕組みとできること

ハンディターミナルとは、バーコードやQRコードなどの読み取り機能と、データ処理機能を一体化した業務用の携帯端末(PDA)です。単なる読み取り装置ではなく、小型のコンピューターとしてさまざまな業務アプリケーションを動かすことができます。

現場の作業効率化やミス削減に直結する重要なツールとして、多くの業種で導入が進んでいます。ここでは、ハンディターミナルの基本構成から形状の違い、そして対応OSまでを順に見ていきましょう。

主な機能と基本構成

ハンディターミナルは、バーコードやQRコードの読み取り機能に加えて、アプリケーションによる高度なデータ処理機能を備えた業務用端末です。単にコードを読むだけでなく、商品情報の照会や在庫データの送信、トレーサビリティ情報の確認など、現場で必要な業務処理を一台でこなせる点が大きな特徴となっています。

基本構成要素としては、スキャナ部、ディスプレイ、入力装置、演算処理装置、通信機能、そしてバッテリーが挙げられます。スキャナ部では1次元バーコードから2次元コードまで幅広く読み取りが可能で、ディスプレイには物理キーまたはタッチパネルが組み合わされています。

CPUやメモリ、ストレージを内蔵しており、無線通信機能としてWi-FiやBluetooth、4G・5Gに対応したモデルも増えています。これにより、リアルタイムでのデータ連携や遠隔地からの業務指示受信が可能になります。

形状と種類の違い

ハンディターミナルには、用途や作業環境に応じて複数の形状が存在し、それぞれに適した使い方があります。代表的な形状として、バーコードリーダー一体型のガンタイプ、縦長のスティック型やハンディ型、スマートフォンのようなフラット型、そして腕時計やリングスキャナなどのウェアラブル型が挙げられます。

形状によって操作感や重量、片手または両手のふさがり具合が変わるため、現場作業との相性を考慮した選定が重要です。たとえば、ピッキング作業では片手が自由になるスマホ型とウェアラブル型の組み合わせが便利ですし、連続スキャンが多い検品作業ではガンタイプやハンディ型が向いています。

代表的な3つの形状を例に、特徴や活用シーンの違いを紹介します。

  形状
タイプ
製品モデル 主な用途
スマホ型 NLS-MT93NLS-MT95など 小売・物流・製造など幅広い現場で、スマホ感覚で使える多用途端末
ハンディ型 NLS-MT37など 片手操作しやすく、軽量でバーコード読み取りに特化した現場
腕時計型 NLS-WD1など 両手をふさぎたくない物流倉庫・配送・製造現場などでウェアラブルとして活用

スマホ型は画面が大きく情報表示に優れ、タッチ操作に慣れたスタッフにも扱いやすいメリットがあります。ハンディ型は軽量コンパクトで長時間の持ち運びに適しており、腕時計型は両手作業が必要な環境で真価を発揮します。

現場の作業内容や従業員の慣れ、業務フローに合わせて最適な形状を選ぶことで、導入後の定着率と業務効率が大きく変わります。複数の形状を組み合わせて使い分ける企業も増えており、柔軟な運用が可能です。

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対応OSと動作環境

ハンディターミナルのOSは、かつて業界標準だったWindows CE系からAndroidへの移行が急速に進んでいます。従来、Windows CEやWindows Embedded Handheldが多くの業務用端末で採用されていましたが、マイクロソフトによるサポート終了により、セキュリティ更新や開発環境の維持が難しい状況です。

サポート終了後も継続利用することは技術的には可能ですが、セキュリティリスクの増大や故障時のメンテナンス部品調達の問題、新しい業務システムとの連携不具合など、実務上のリスクが高まります。そのため、現在はAndroid OS搭載のハンディターミナルが新たな業界標準として定着しつつあります。

Androidを採用するメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • OSのセキュリティ更新が継続的に提供され、長期運用の安心感がある
  • アプリ開発環境が整っており、業務システムとの連携やカスタマイズがしやすい
  • タッチ操作やユーザーインターフェースに慣れたスタッフが多く、教育コストを抑えられる
  • クラウドサービスや最新の通信技術との親和性が高く、DX推進に適している

ハンディターミナルはバーコードリーダーやスマホとどう違う?現場での使い分けポイント

バーコードリーダーやカメラ付きスマートフォンでもバーコードの読み取りは可能ですが、業務現場での使いやすさ、読み取り精度、耐久性、管理のしやすさといった観点では、ハンディターミナルには業務専用機ならではの強みがあります。

ここではまずバーコードリーダーとの違いを整理したうえで、ハードウェア面・ソフトウェア面・コストや運用面から、スマホとハンディターミナルの違いを具体的に比較していきます。どの機器を選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

バーコードリーダーとの違い

バーコードリーダーは、バーコードを読み取ってPCやPOSレジなどにデータを送る「入力機器」です。一方、ハンディターミナルは読み取り機能に加えて、端末内でデータ処理やアプリケーションの実行ができる「小型コンピューター」です。

たとえばバーコードリーダーは、読み取った情報をその場で計算・照合することはできず、接続先のシステムに依存します。一方ハンディターミナルであれば、在庫照会や入荷検品、棚卸し結果の集計などを端末上で完結できるため、現場だけで業務が回りやすくなる点が大きな違いです。

ハードウェアと読み取り性能の違い

スマホはカメラでコードを読み取るのに対し、ハンディターミナルは専用のスキャンエンジンを搭載しており、読み取り性能に大きな差があります。スマホのカメラは汎用的な撮影を想定した設計ですが、ハンディターミナルは業務用途に特化しているため、汚れたラベル、曲面、反射面、高密度コード、薄い印刷など、読み取り条件が悪い場面でも安定した読み取りが可能です。

ハードウェア設計の面でも、ハンディターミナルは連続読み取りや長時間使用を前提としたトリガーボタン、片手で持ちやすいグリップ形状、重量バランスなど、業務効率を最大化する工夫が随所に施されています。スマホは日常使いを想定した設計であり、長時間の業務利用では手首や腕に負担がかかりやすい点も見逃せません。

さらに、防塵・防水・耐落下性能の差も顕著です。業務用ハンディターミナルはIP規格に沿った防塵防水性能や1メートル以上の落下耐性、強化ガラスの採用など、倉庫・工場・屋外といった過酷な環境でも安心して使える堅牢性を備えています。

スマートフォンとハンディターミナルの違いをより分かりやすくするために、主要なポイントを表にまとめました。読み取り方式から堅牢性まで、現場で特に差が出やすい項目を比較しています。

項目 スマートフォン ハンディターミナル
読み取り方式 カメラによる画像認識 専用スキャンエンジン(イメージャ)
読み取り精度 条件が良ければ読める程度 汚れ・曲面・反射面でも高精度
操作性 タッチ操作中心 トリガーボタン・物理キー対応
堅牢性 落下・水濡れに弱い 防塵防水・耐落下設計

ソフト面と業務サポートの違い

スマホは一般消費者向けのOS・アプリを前提としているのに対し、ハンディターミナルは業務用アプリやクラウドサービスとの連携を前提に設計されています。スマホでも業務アプリをインストールすることは可能ですが、個人所有端末やBYOD(Bring Your Own Device:従業員が私物のスマホやタブレットを業務に利用する運用形態)の場合、端末の機種や設定がバラバラになりやすく、管理が煩雑になるうえ、紛失・盗難時のセキュリティリスクも高まりやすいという課題があります。

ハンディターミナルでは、在庫管理、POSレジ、車両運行管理、現場コミュニケーションなど、業務シーンに特化したアプリケーションが事前に検証されており、導入後すぐに安定稼働できる状態が整っています。また、複数の業務システムと連携する際も、ハンディターミナルであれば動作保証やサポート体制が明確です。

業務用ハンディターミナルは、端末に関するサポート窓口が明確で、トラブル発生時の切り分けや対応がスムーズに行える点も強みです。スマホの場合、OS・アプリ・ハードウェアのどこに問題があるのか判断しづらく、サポート窓口が分散しているため対応が遅れやすいという課題があります。

ハンディターミナルは業務利用を前提としたサポート体制が整っており、運用中に問題が生じた際も迅速な復旧が期待できます。長期運用では、この「サポートの確かさ」が安定した業務継続につながる大きなメリットとなります。

コスト・耐久性・運用面の違い

初期費用だけを見るとスマホのほうが安く見えますが、故障リスク、買い替えサイクル、管理工数を含めたトータルコストでは、ハンディターミナルのほうが有利になるケースが多くあります。スマホは落下・水没・バッテリー劣化・OSアップデートによる不具合などが発生しやすく、業務利用での故障率は高まる傾向にあります。

ハンディターミナルは堅牢性が高く、業務利用を前提とした設計のため、一台あたりの寿命が長くなります。結果として、台あたりの年間コストではスマホと近くなる、あるいは下回ることも珍しくありません。また、業務用ハンディターミナルは修理・保守契約や代替機提供などのサポートメニューが充実しており、現場が止まるリスクを最小限に抑えられます。

MDMによる一元管理により、アプリ更新、設定変更、紛失時のリモートロックなど、運用の手離れが良いのもハンディターミナルの特徴です。MDM(Mobile Device Management)は、企業が複数の端末をまとめて管理するための仕組みで、アプリ更新や設定配信、利用制限の適用、紛失時の遠隔ロック・データ消去などを中央から一括で行える管理ツールです。MDMによる一元管理を活用することで、アプリ更新、設定変更、紛失時のリモートロックといった運用作業の手離れが良くなり、IT管理者の負担を大幅に減らせます。また、端末の状態を統一して保てるため、現場スタッフも安心して端末を使い続けられます。

ハンディターミナルは、端末本体にPOSや在庫管理、MDMなど連携可能なソリューションを組み合わせることで、導入後の運用コスト削減と業務効率化を両立できます。目先の価格だけでなく、中長期的な視点での投資判断が重要です。

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ハンディターミナルの導入で得られる効果と注意点

ハンディターミナルを導入すると、具体的にどのような業務がどう改善されるのでしょうか。また、導入前に整理しておくべきポイントや運用上の注意点はどこにあるのでしょうか。

ここでは、選定時のチェックポイントと、運用・保守で重要となる視点を順に解説します。導入を成功させるために、メリットと注意点をセットで理解しておきましょう。

導入時に押さえるべき選定ポイント

ハンディターミナルの選定では、利用シーン、読み取り対象、通信環境、堅牢性、OS、そして周辺機器との組み合わせなど、複数の判断軸を総合的に検討する必要があります。まずは自社の業務内容を整理し、どのような環境でどんな作業に使うのかを明確にすることが第一歩です。

利用シーンと作業内容によって、最適な形状が変わります。屋内中心で両手作業が少ない場合はスマホ型、片手操作が多く軽量性を重視する場合はハンディ型、両手をふさぎたくない倉庫作業では腕時計型というように、形状選びが作業効率に直結します。

読み取るコードの種類も重要です。1次元バーコードだけでなく、QRコードやデータマトリックスなどの2次元コード、さらには賞味期限や製造番号などの文字情報をOCRで読み取る必要があるかを確認しましょう。

通信環境の整理も欠かせません。Wi-Fiのみで運用できる環境なのか、屋外や移動中の利用で4G・5G回線が必要なのか、SIMフリー端末が望ましいのかを事前に決めておきましょう。拠点や倉庫、店舗のインフラ状況に合わせた選定が、導入後のトラブルを防ぎます。

ハンディターミナルを選ぶ際には、利用目的や運用環境に合った仕様を見極めることが重要です。以下は、選定時に確認しておきたい主なポイントをまとめた一覧です。

  • 利用シーン:屋内/屋外/両方で使うのか、想定する業務内容は何か
  • 読み取り対象:1Dバーコード、2Dコード、OCR読み取りの必要性
  • 通信方式:Wi-Fi、4G・5G、Bluetoothなど、必要な通信手段
  • OS・サポート期間:搭載OSの種類(Windows・Android・独自OS)、バージョン、更新方針、サポート終了時期
  • 堅牢性:IP等級、防塵防水性能、耐落下性能、使用環境との適合性
  • バッテリー:連続稼働時間、電池交換の可否、充電方法
  • 管理方法:MDMの有無、ライセンス費用、管理機能の範囲
  • 連携システム:既存のPOS、在庫管理、基幹システムとの互換性

運用と保守で重要なポイント

ハンディターミナルの導入効果を最大化するには、導入前に運用ルールを決め、保守・サポート体制を整えておくことが不可欠です。どの部門が端末管理の責任を持つのか、紛失時の対応フロー、OSアップデートやアプリ更新の方針など、導入前に社内で合意を得ておくことが重要です。

MDMを活用することで、端末の登録、グルーピング、アプリ配信、設定反映、リモートロックといった管理作業を一元管理でき、現場の負担を軽減しながら安全な運用を実現できます。

保守・サポート体制の確認も重要です。問い合わせ窓口の対応時間、オンサイト修理の有無、代替機提供の可否、保証期間や延長保守の内容などをチェックしましょう。現場が止まったときにどの程度のスピードで復旧できるかが、業務継続性を左右します。

安定した運用を実現するためには、導入前に以下のポイントを整理しておくことが重要です。

  • 運用責任者と管理部門の明確化
  • 紛失・故障時の対応フローと代替機の確保
  • 定期的なOSアップデートとセキュリティパッチ適用のスケジュール
  • 業務アプリのバージョン管理とテスト環境の整備
  • ユーザー教育と操作マニュアルの整備

Windows CE端末からAndroidハンディターミナルへのリプレイスでは、既存システムの移行計画、現場オペレーションの変更、スタッフへの教育コストも含めた総合的な計画が必要です。段階的な移行や並行運用期間を設けることで、業務への影響を最小限に抑えられます。

まとめ

ハンディターミナルは、読み取り機能とデータ処理機能を備えた業務用端末で、幅広い現場で活用されています。現在はWindows CEからAndroidへの移行が進み、最新アプリやクラウドとの連携が容易になっています。

スマホより読み取り精度・堅牢性・管理性の面で優れ、業務効率化やミス削減に役立つ点が特徴です。導入時は、利用シーンや形状、通信方式、堅牢性、管理方法などを踏まえ、自社の業務に合う端末を選びましょう。

ビジコムのモバイルターミナルは、POSレジや在庫管理など事前検証済みの業務用アプリケーションのビジコム製品とスムーズに連携でき、デモ機の貸し出しや見積もり・導入相談など、導入前後のサポートが充実しています。システム全体を見据えた提案が可能なため、初めてハンディターミナルを導入する企業でも安心して検討できます。

自社の現場に合うハンディターミナルの選び方が分からない、Windows CE端末からのリプレイスで悩んでいるという方は、ぜひビジコムのモバイルターミナル製品情報や問い合わせフォームから、資料請求やデモ機貸し出し、見積もり相談をご利用ください。

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