離島行政でDXを推進!自動釣銭機付きセミセルフレジ×キャッシュレス決済導入で、
住民サービス向上と窓口業務を効率化
2025.07作成
島根県の日本海沖に浮かぶ西ノ島町は、隠岐ユネスコ世界ジオパーク認定の雄大な自然に囲まれた人口約2,500人の離島自治体です。町民課の窓口では、住民票・各種証明書の発行手数料などの会計が日々発生していましたが、これまではPOSレジを導入せず、手作業で現金を管理していました。
そのため金額差異が生じやすく、毎日の現金勘定に時間を取られることが職員にとって大きなストレスとなっていました。
こうした課題を解消し、住民サービスを向上させるため、西ノ島町は2025年4月1日、ビジコムのセミセルフPOSレジを町民課とごみ処理場の二拠点に導入しました。自動釣銭機と決済端末を組み合わせたことで、ヒューマンエラーの防止と業務負担の軽減を実現し、キャッシュレス決済にも対応されました。
今回は、政策企画課 課長の桶谷様、町民課 戸籍住民係 主任の山﨑様、そして運用を担う矢谷様に、導入の背景や決め手、導入後の効果と今後の展望についてお話を伺いました。
西ノ島町役場庁舎
町民課に導入されたセミセルフレジお客様プロフィール

島根県隠岐郡 西ノ島町 様
■所在地
西ノ島町役場
〒684-0303 島根県隠岐郡西ノ島町大字美田600番地4
■業種
地方公共団体
■導入拠点
2拠点(町民課・ごみ焼却場「清美苑」)
■主な取り扱い項目
住民票・各種証明発行手数料、ゴミ処理手数料などの少額決済
■URL
https://www.town.nishinoshima.shimane.jp/
■公式SNS
Instagram:https://www.instagram.com/nishinoshima_official/
note:https://nishinoshima-town.note.jp/
導入ソリューション
BCPOS
事例の詳細
導入前の課題と背景
長年、窓口では手提げ金庫で現金を管理しており、夕方になると職員が硬貨や紙幣を一枚ずつ数え直す作業が常態化していました。現金取扱いに伴う紛失・盗難リスクも相まって、職員のストレスは増す一方でした。
また、高額な証明書を発行する際、現金が足りない場合は住民が諦めるか、役場と自宅を往復せざるを得ない手間が発生し、特に若い世代からはキャッシュレス決済導入を求める声が高まっていました。
こうした現場の悩みと住民ニーズを同時に解決する手段として、POSレジとキャッシュレスを組み合わせたDX化が急務となっていました。
導入の決め手
導入検討を始めた当初、ウェブ検索で最上位に表示されたのがビジコムの自治体向けPOSレジでした。島根県内の邑南町役場での導入実績を知り、2024年6月に実機デモを依頼。直感的に操作できることを確認できたことが、導入を決断する大きな後押しとなりました。
決め手となったのは、訪問修理に対応可能なグローリー社の自動釣銭機の保守体制です。日程調整の上、確実な訪問サポートが受けられる仕組みにより「離島でも安心して運用できる」と確信しました。
さらに、POS・自動釣銭機・キャッシュレス決済端末をワンパッケージで導入できる拡張性と、職員が金額を確定した後に住民が画面指示に従って支払うセミセルフ方式が、幅広い年代の住民にも負担なく利用できると評価され、正式採用に至りました。
導入後の成果・今後の展望
2025年4月の稼働開始からわずか数か月で、レジ締めに要する時間は劇的に短縮され、現金管理に追われていた職員のストレスも大幅に軽減されました。キャッシュレス対応も好評で、特に若い世代からは「カードや電子マネーが使えて便利」との声が寄せられています。導入時に懸念されていた高齢者の操作面でも大きな問題はなく、住民サービスの向上を実感できています。
ごみ処理場では細かな釣銭授受が不要になり、受付がさらにスムーズになりました。
サポート体制への評価も高く、POSレジの問い合わせにはサポートセンターが迅速かつ丁寧に対応しており、職員からは「対応が早く、丁寧で分かりやすい」とのお声をいただいています。
現在、西ノ島町では住民から要望の高いPayPayの導入を進めています。将来的には、セミセルフレジの活用範囲を少しずつ広げ、税金や水道料金など、公金収納も扱える形を視野に入れています。会計区分や、手数料の負担調整など越えるべき壁は残りますが、「住民の利便性と職員の業務効率を両立させたい」という思いのもと、西ノ島町は次なる自治体DXに向けて着実に歩みを進めています。
ごみ焼却場「清美苑」
ごみ処理手数料をセミセルフレジでお支払い